牛に輸液する方法はさまざまですが、比較的簡単なのが経口補液です。
静脈補液と比べると、脱水やアシドーシスに対する効果は経口補液の方が劣っています。重度の脱水症状が見られる場合は静脈補液の方が良いですが、それ以外の場合は経口補液で水分・電解質を補ってあげると良いでしょう。
下痢の子牛への経口補液
子牛が下痢になると、水っぽい便(水様便)を排出します。水様便には水分以外にも、塩分(ナトリウムなど)も含まれてることをご存知でしょうか。
下痢で失われた水分や塩分は、経口補液で補ってあげましょう。
また、ブドウ糖はナトリウムの吸収を促進してくれる成分です。ブドウ糖はエネルギーにもなるので、下痢の子牛に補給してあげると良いです。
牛の経口補液には「動物用医薬品」と「A飼料」の2種類がある
牛の経口補液には、「動物用医薬品」と「A飼料」の2種類があります。代表的な経口補液としては、次の3種類が有名です。
動物用医薬品 | A飼料 |
カーフライトS | クイックショットタブ グロースチャージ牛用 |
人間の経口補液で例えると、医薬品を使うか、OS-1を使うか、ポカリスエットを使うか、というイメージになります。
この3種類の中で安くて継続しやすいのは、A飼料の「グロースチャージ牛用」だという方が多いです。粉末タイプなので計量しなくてはならないことが手間ですが、コスト面が気になる方は一度試してみても良いかもしれません。
牛用経口補水グロースチャージ
一番給与が簡単なのは、A飼料の「クイックショットタブ」です。1Lに対して1錠溶かすだけなので、手間なく給与できます。価格もカーフライトSより安いと好評です。
参考:【牛の経口補液の比較】カーフライトS・クイックショットタブ・グロースチャージ牛用
子牛の下痢は予防が重要
子牛が下痢になった時は、水分・電解質を補ってあげる必要があります。しかし、子牛の下痢は生育に悪影響を与えますから、そもそも下痢にならないよう予防してあげることが重要です。
子牛の下痢対策としては、次の4つのポイントを意識してみてください。
- 早めの初乳給与
- ルーメン(第一胃)の発達
- 寒さ対策・暑さ対策
- 免疫力の維持
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