哺乳期の子牛には、毎日のようにミルクをあげますが、中にはミルクを飲まない子牛もいます。では、子牛がミルクを飲まない時はどうしたら良いのでしょうか?
今回は、子牛がミルクを飲まない原因とその対処法についてご紹介致します。
子牛のミルクの飲み方
子牛のミルクの飲み方は、母牛の乳首を「噛んで」飲むことが特徴です。
この噛む行為にはいくつかのメリットがあります。まず、噛むことで唾液と混ざりやすくなり、消化が促進されます。これにより、栄養素の吸収が効率的に行われるという利点があります。
さらに、子牛の顎が鍛えられるため、成長にもプラスの影響を与えます。なお、子牛が飲んだミルクはルーメン(反芻胃)を通過せず、直接第4胃へ入ります。これにより、消化がスムーズに行われ、栄養の吸収効率が高まるのです。
子牛の健康成長には、この特有の飲み方が重要な役割を果たしています。
子牛が初乳を飲まない原因と対処法
子牛が初乳を飲まない時には、下記のような原因があるのかも知れません。
- 母牛が子牛を舐めていない
- 母牛から十分な初乳が出ていない
母牛が子牛を舐めていない
子牛は、母牛に体を舐められて乳を飲むようになります。
母牛が子牛を舐めない場合は、タオル等でマッサージし、自力哺乳を促しましょう。
また、子牛の体表にフスマを振りかけると、舐めるようになる事がありますので、お試しください。
母牛から十分な初乳が出ていない
子牛の健康と成長には、母牛からの十分な初乳供給が不可欠です。
初乳には重要な栄養素と免疫成分(免疫グロブリン)が含まれており、子牛の成長と免疫力の向上に欠かせません。母牛の健康管理や栄養状態を確認し、初乳の分泌を促進することが重要です。
また、母牛が十分な初乳を出せない場合に備えて代用初乳を用意しておくと安心です。
合わせて読みたい>>初乳製剤の比較|適切な初乳製剤を選んで子牛を元気に育てよう
子牛がミルクを飲まない原因と対処方法
次に、子牛がミルクを飲まない原因と対策についてお話しします。
子牛がミルクを飲まない時は、下記のような原因が考えられます。
- 乳首の問題
- 子牛の問題
- 哺乳位置の問題
ほ乳瓶の乳首の問題
乳首には流量や形状に関連する問題があります。乳首からミルクが十分に出ない場合、子牛は飲むことができず、成長や栄養摂取に影響を及ぼす可能性があります。
また、乳首が傷ついている、汚れているなどの状態も子牛が拒否する原因になります。
乳首の穴を広げるために、カッターナイフで少し切り込みを入れる農家さんもいますね。
子牛の問題
乳首の場所が分からず、乳首を認識できない場合があります。
その場合は、人の手でサポートし、子牛が乳首にアクセスしやすくしてあげる必要があります。
哺乳位置の問題
子牛へミルクを給与する際の正しい哺乳位置は、子牛の頭を持ち上げて首や背中をまっすぐにし、乳首を子牛の口に差し込みます。
乳首の流量を調節し、子牛が快適に飲めるように助けながら、じっくりと時間をかけて哺乳を行う必要があります。
ミルクを飲ませるコツはさまざま!
子牛がミルクを飲まない原因は様々です。
子牛の成長をサポートするためにも、問題の早期発見と適切な対応を心掛けましょう。
もし、この記事で紹介したコツ以外の方法を試している農家さんは、ぜひ教えてください。